『STAY TUNE / Suchmos』ギターの弾き方【TAB譜付】

こんにちは、講師の尾崎です🎸
さて、4/23の発表会もいよいよ近づいてきましたね。
そんな中、久々にレクチャー動画をアップしました。今回は3月から新しく講師の仲間入りをした尾坂昭仁講師に演奏・撮影&譜面作成してもらい、私が編集させていただきました。尾坂講師が選んだ曲は日本発Acid Jazzバンド、Suchmosの「STAY TUNE」https://youtu.be/PLgYflfgq0Mです。以下、尾坂講師のとても詳しく丁寧な解説とともに是非動画をお楽しみ下さい。
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こんにちは。 3月から当Sputnik Guitar Schoolの講師を務めさせていただくことになりました尾坂と申します。 まだ馴染みのない皆様も多いかとは思いますが、よろしくお願い致します。

さて、今回はSuchmosのSTAY TUNEという楽曲の演奏解説をさせて頂きます。 Suchmosといえば昨年あたりから人気急上昇中、一聴すると洋楽に聴こえるような非常にハイセンスかつ実力派のバンドです。 僕自身、ラジオから流れてきた時洋楽?と思ってしまいました。笑 その中でもこのSTAY TUNEは一際有名で、CM楽曲などでもお馴染みですね。 Suchmos自体にはまた後半で触れますが、まずは演奏について。 今回は5つのパートに分けて解説しており、これらが弾ければ、あとは繋げるだけで1曲まるまる弾ききることが可能です。 それではパート毎に少し紐解いていきたいと思います。

section.1 イントロ~サビ~AメロTAB譜)※TAB譜は全てPDFファイルです。
まずは冒頭のフレーズですが、こちらは曲の大半を占めていますので、しっかりノリを掴んで弾ければ理想です。 注意すべき点は2音目の3弦5F、位置的に2拍目の裏になるので、少しタイミングが取りづらく、リズムがヨレやすいです。 16分音符のリズムをしっかり自分の中でとって、前述の2音目のアップピッキングを意識して弾くと割合弾きやすくなると思います。 ちなみにご本人は音源では恐らくあえて実音のみを弾いている感じなのですが、ライブでは16分音符でブラッシングを入れながら弾いているようです。 動画はその中間のような感じで、16分で弾いているイメージで空ピックしながら出来るだけ実音のみを弾いています。 実際はどのパターンで弾いても構わないと思いますが、ライブなら勢いも欲しいのでご本人のパターンが良いかもしれません。

section.2 BメロTAB譜
こちらも基本的にはずっと16分音符で空ピックを入れながらカッティングしています。 カッコよく弾くコツとしては実音、特にコードを弾くところはあまり伸ばし過ぎずスタッカート気味で弾くとキレよく聴こえます。 最後の歪ませているところは、綺麗目のファズ(ご本人使用のMad Professor Fire Red Fuzzなど) or 少し荒めのディストーション(RAT系など)を使うと似た質感が出しやすく感じます。 弾き方はやはりサビに向けて盛り上がる感じで、スライドから思い切って弾いてください。

section.3 Bメロ(2番)TAB譜
殆どは1番のBメロと同じなのですが、一瞬ソロのような部分が入ってきます。 ペンタトニック系のフレーズですが、結構早めなのと前後にカッティングがあるので少し難易度は高いです。 まずはゆっくりのテンポから練習してみてください。 出来れば1音1音の粒を揃えて、アタックを出しながら弾けるとリズムに綺麗に乗ってカッコいいです。 音源ではギターを2本重ねてハモらせていますが、動画ではハーモナイザーで3度下の音を重ねて同様の効果をギター1本で得られるようにしています。 実際に弾かれる際は無理にハモらせなくてもOKだと思います。

section.4 CメロTAB譜
こちらもほぼ1番Bメロと同じなのですが、最後2小節が少し変化しています。 1番に比べ空ピックの割合が減り、実際に鳴らす音が増えたためより16分が強調され、ノリの良い感じになっています。 ポイントは実音のコードにスライドをしっかり入れていくところでしょうか。

section.5 アウトロTAB譜
イントロのフレーズを発展させたようなフレーズですね。 ラストで一番盛り上がるところですので、少しラフな感じで弾いても大丈夫です。 ただベースともユニゾンしているので、フレーズの頭と切れ目はしっかり合わせていきたいところ。 特に曲の最後はバシッと切ってください。 その他気をつけたい点は、フレーズの性質上弦をセーハして弾くことになるため、右手側で余分な弦を弾かないように出来るとベターかなと思います。 音色はBメロ最後と同じような感じで、音の塊感が出せると心地良いです。

以上のようになりますが、言うは易く行うは難し、でシンプルなようでなかなか手強いフレーズが並びます。笑 ただこれが弾ければかなりカッティングのレベルは上がってくると思いますし、何より弾いていて楽しくなれる曲ですので、まずはイントロのフレーズだけでも、ぜひトライして頂きたいです。

さてさて、終わりにSuchmosについてもう少しだけ触れたいのですが、このSTAY TUNEが収録されたアルバムは初週で7.5万枚、その後すぐに10万枚を突破。 チャート成績も2週続けて2位を獲得するなど、今の時代ではなかなか見られない売れゆきです。 一部では「10万枚売れればミリオンと同等」とも言われる昨今に、ほとんど新人に近いバンドがそれを成し得たということは、かなり凄いことだと思います。 決していかにもな売れ線というわけではありませんが、Suchmosの曲には今なりの新しさと同時に、どこか懐かしい感じを受けとることが出来ると思います。 それが幅広い層からの支持を受ける要因となり、今回のヒットに繋がったのではないでしょうか。 実際ラジオなどのリスナーの声でも、親子で聴いている、なんていう投稿がよく耳に入ります。

そんなアルバムのタイトルはThe Kidsというのですから、結果的にとはいえ中々シャレが効いているなあと思います。 ある意味、本当のKidsにも届き、少し人生を重ねた人たちにもKidsのころの気持ちを思い起こさせる、なんていう捉え方も出来ますね。笑 そして何より楽器を弾きたい、弾いてみたいと思わせてくれるバンドであるのは間違いありません。 今後どんな音楽を聴かせてくれるのか、楽しみなバンドのひとつです。

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